アルファテックベトナム株式会社

独自のポイントクラウドワークフロー V21

2020年12月2日

BricsCAD V21の点群に関する新機能

 

点群は、Bricsys社が力を入れている機能の一つです。ただし技術的にはまだ初期段階のため、点群を使ったアプリはまだ多くありません。ここでは、BricsCAD V21 の点群の新機能について説明します。

 

バブルビュー

バブルビューは、V21に搭載された新機能の一つです。バブルというのは、点群モデル中の緑色で文字通り泡のような形状をした球で、点群を作成した時にスキャナが置かれていた位置を示しています。点群モデルの内側から表示することができ、点群からソリッドモデルを自動作成する際にも重要な役割を果たします。

バブルをダブルクリックすると、点群をスキャンした地点からのビューがポップアップ表示されます。ビューの中をズームやスクロールできる他、タブキーを押すごとに表示方法を変更することができます。例えば、UCSカラー表示はX・Y・Zの各座標に対する面を色別に表示し、深度表示はグレーの濃淡で点との距離を示します。

また、Ctrlキーを押すとモデルスペースのビューを現在のバブルビューに合わせることができます。

 

スキャンしてBI

2019年にLeica社との提携と「スキャンしてBIM」という戦略を発表しましたが、2020年は同社とのより密接な協力により、技術的にも「スキャンしてBIM」を充実させました。BricsCAD BIM V21では、点群から2Dや3Dの形状を自動作成できるようになりました。

  

階検出(BIM

PointCloudDetectFloors (階検出)コマンドは、点群から直接建物の床を自動検出するコマンドです。検出した各階ごとに断面立方を作成します。作成した断面立方は、点群だけでなく、図面中のすべての要素をクリッピングすることができます。

 

 

線検出

自動作成(あるいは自分で作成)した断面から、PointCloudProjectSection コマンドを使って、平面図や、線分やラスター画像を生成することができます。新機能の最適化コマンドと合わせて平面図を作成したり、Quickdrawコマンドで3Dモデルに変換したりすることができます。

また、このコマンドのオプション機能を使って窓やドアを検出することができます。

 

平面検出

新機能のFitPlanar コマンドを使って、点群からサーフェスやソリッドの平面を作成することができます。コマンドを実行してマウスで指示するだけで、BricsCADのアルゴリズムによって平面が生成されます。

 

 

モデルスペースやバブルビューにおいて FitPlanar コマンドを使って平面を作成した後、改善した「L接続」コマンドを使って生成した平面を整えることができます。また、Ctrlキーでオプションを変更しながら、窓やドアの穴を検出することができます。

処理速度

機能が充実していても処理が遅ければ使い物になりません。BricsCAD V21では、点群データの読み込みが、マルチスレッド処理によって5倍に向上しました。

また読み込み状況がわかるようにプログレスバーを付けました。すべての処理はバックグラウンドで行われるので、読み込み中に図面での作業を続けることができます。

 

図形スナップ(Pro

図形スナップのオプションに、新たに「点群の最も近いポイント」が加わり、点群モデルの最も近い点にカーソルが吸着できるようになり、点群以外の要素が含まれていても区別しやすくなりました。

 

点群を座標に合わせる

PointCloudAlign コマンドで座標に合わせて点群モデルを回転させることができます。手動でも可能ですし、点群エンジンを使って壁を検出したり、自動的に点群モデルの方向を調整したりすることができます。

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